塩分摂取量の重要性

しばらく前に“キャファ通信”という、スポーツサイクル専門店が発行しているメールマガジンに、興味深い記事がありました。投稿者に引用の了解を頂きましたので、以下にご披露したいと思います。

■ 塩分摂取量の重要性     龍見昇

これは難しい問題ですね。激しい運動下においては交感神経優位になり、腎機能が抑制されることは容易に想像できます。そこに水分を過剰に摂取すると、当然低ナトリウム血症になるでしょう。人間の体液の塩分量は0.9%と言われています。試しにその濃度の食塩水(生理食塩水といいます)をなめてみてください。意外なしょっぱさに驚かれると思います。水とともにかなり塩分の摂取を必要するのではないでしょうか。

以前、私がこの通信に「尿の色が濃いのは脱水のサイン」と書いたことがありますが、そんな単純な問題ではないようです。極限状態では水分過剰な状態でも尿を出さないようになっているのかもしれません。

塩について、最近立ち読みした本で興味深い話がありました。

今の日本人は塩分摂取量が少なすぎるというものです。塩分が少ないと体温が下がり、免疫力が低下したり、いろいろな弊害が出てくるというのです。高血圧で塩分を厳しく制限されている人が塩辛いものを食べたくて仕方なかったところ、著者である医師のすすめで食べたい分の塩分を摂ったところ、血圧が下がったということです。塩分が少ないと水でタポタポになるのですから血圧が上がっても不思議はないかもしれません。食材を塩漬けにすると水分が抜けますね。同じ理屈です。通信の記事でも、「少量の高濃縮食塩水を静脈投与し,腫れた脳細胞からの水を抜く」話がありますね。

そして、医学界でもっとも権威があるとされている「ランセット」という雑誌があるのですが、それに掲載されたある論文によると、世界中から無作為に選ばれた10万人の塩分摂取量とその寿命を追跡した結果、塩分摂取の多い人ほど長生きだったということです。

昔の東北地方の人は塩辛いものばっかり食べて脳卒中とかで死んでたじゃないか、と言われるかもしれませんが、それは冬があまりに寒く、体を温めるための知恵だったと著者は推測しています。

私が学生のころから疑問だったことがあります。

厚生省だったか、WHOだったかの、1日の推奨塩分摂取量は10g以下と記憶していますが、どうやって決めたのでしょう。先進国の平均をとっただけかもしれません。日本は確かイギリスについで世界で2番目に多く塩分を摂っているそうです。その日本が世界一の長寿国なのです。

人間に限らず、生物は海から生まれたとされています。海水は約3%の塩を含んでいます。母なる海が塩だらけなのに、塩がそんなに体に悪いわけはないと思うのです。UNISEFのパンフレットによると、1000ccの水に塩茶さじ半分に砂糖茶さじ4杯を入れたものは、水だけより25倍早く水分を吸収するということが載っています。皆さんもただの水より塩分を含むスポー
ツドリンクの方が、喉に引っかからずにすっと飲めることは実感されていると思います。前述の生理食塩水はしょっぱくて体に悪そうですが、実は体と同じ濃さなんですよ。少なくともこの濃さのものは大丈夫ではないでしょうか。

これを読んだ常識的なお医者さんには、「何をバカなことを!」とお叱りを受けるかもしれません。でも、その時体が欲しているものを美味しく感じるのだと思いますよ。他の動物は体にいいから食べようと考えているはずないですからね。塩を摂り過ぎたら、自然と喉が乾きます。そしたら水を飲めばいいだけのことです。自分の本能を信じてあげましょう。



龍見様は、泌尿器科のお医者様で、スポーツとしてバイクにも乗られている様子です。私の友達にも、外科医のウルトラランナーがいますが、日頃健康を意識せざるを得ない職業柄に、必要とされる体力、性格的にも勤勉な努力家が多いので、ランナーやトライアスリートとしての、適正を見せる方が多いと感じます。

汗をかけば、当然の事ながら、水分と一緒に塩分やミネラル分も失われます。そして本格的な夏を迎えるまでの季節、流れる汗が目に入って、ひどくしみた経験のある方はないでしょうか?これは、日頃スポーツをして汗を流す習慣がある人と、ない人の違いでもあるのですが、夏に対応できてくると、塩分やミネラル分を体外にあまり出さない、薄い汗をかける体になってきます。体がまだ充分に暑さに馴染んでいないこの時期の汗は、目にしみるのだそうです。塩分を失わない汗のかき方が出来るようになっても、激しい運動をすると、一時間に失われる水分量は、確か2リットルにもなったはずですから、失われた分の塩分は補給しなければならないと思って、海水から抽出したミネラル塩を塩水にして、気づいた時に飲むようにしています。(発汗だけでなく、呼気から失われる水分も多いことは、ひどく乾燥したエベレストなどの極地で、水分補給が大切だという事からも分かります)そんな時は、確かに塩水があまく美味しく感じられるのですよ。暑くなりかけの時期のほうが、むしろ体がだるかったりすることがあるのは、こういった点も関係するのかも知れません。
鉄鋼業の冶金で働く人の場合、現場に盛り塩を置いておき、じかに塩分の摂取をすることもあります。林業に携わる人の奥さんも、塩分の多いお弁当を持たせるように心がけていたりするのは、昔から経験的に知っている知恵だったのでしょうね。

ランナーには最近常識的な知識となりつつあり、電解質を補給するドリンク(OS-1)や、経口塩のタブレット(アスリートソルト)なども知られてきているようです。
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by kimunegosiki | 2005-06-14 08:39 | 雑学


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