農鳥小屋の小屋番は、名物オヤジらしい。愛想がないとか口が悪いとか色々書かれていて、蛇蝎のごとく毛嫌いする表現も見受けられたが、小屋で飼われている甲斐犬は、冬場は猟をする犬だということで、なかなか興味深そうな人物ではあった。 南アルプス林道が通行止めだったため、迂回路を通って縦走路始点まで移動するのに時間がかかり、午前の早い時間帯に登山開始する予定が午後にもつれ込んだ。北岳山荘で午後4時半を過ぎてしまったため、農鳥小屋で宿泊することは出来なかったが、収容人数、設備共に立派だった北岳山荘に比べて、農鳥小屋は本当に言葉ながらの山小屋という印象であった。 とは言っても、不自由を楽しむくらいの遊び心がないと、山で一泊してもつまらないし、囲いや屋根があるだけでも有難いと思わねばならない。 農鳥小屋では荷物を降ろしてトイレを借り、犬を見せていただいた。小屋の主人は、少し耳が遠いらしく怒鳴るような声で聞き返すので、大人しい人などそれだけで萎縮してしまうかもしれない。 小屋の標高を尋ねたら、「等高線は見たんか?」と胴間声。「聞いたら簡単に分るけど、自分で調べたんじゃなければ直ぐに忘れるよ」取っ付き悪いけれど、こういう人物は別に苦手ではない。 猟をするのかと聞いたら、「いろいろ・・・・ビッグゲーム」 帰り道のオヤジは、休憩中のグループの車座の中で、山での行動食の重要性について熱心に喋っており、私の顔を認めて「おぉ あんたピストンだったか。気をつけてな」と声をかけてくれた。愛想いいところもあるじゃないか。 宿泊してゆっくり話を聞く時間があれば、こういう人物は興味深い話題を沢山聞かせてくれることは間違いない。。正直なところ、甲斐犬としてはあまり感心しない犬達だったが、それを思うと少し残念だった。
by kimunegosiki
| 2006-08-11 00:19
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